肥満症とやせ症の原因

一般的には、脂肪組織が正常以上に増加して、体重が標準体重より20%以上多い場合を”肥満症”、その反対に脂肪組織が異常に減少し、標準体重より20%以上体重が軽くなった場合を”やせ症”と呼んでいます。
肥満症:遺伝的素質や体質などの先天的影響は少ないといわれ、中枢神経や内分泌の異常などの病的原因以外では、結局は、摂取エネルギーと消費エネルギーの出納関係が持続的にプラスの状態になる過食が原因です。
夕食偏重、就寝前の夜食、嗜好中心の食事などの食習慣、日常生活のなかでの様々な精神的不安や欲求不満を補うための心理的要因による過食、便利で豊かな社会の中での体を動かす活動の減少などが考えられます。
やせ症:もともと消費エネルギーが他より多いとされる体質的なものがありますが、糖尿病やバセドウ氏病、慢性的な疾患などもエネルギーを消耗します。
また、胃腸病などの消化器系の疾患や代謝障害、神経性食欲不振、コーヒー・たばこ・薬品などの多用や不規則な生活による食欲不振などは、摂取エネルギーを減少させます。これらの要因がエネルギーの出納をマイナスにすると考えられます。

肥満症の食事注意事項

たんぱく質、ビタミン、ミネラルの所要量を充足しながら、肥満症は低カロリー食、やせ症は高カロリー食を摂って、それぞれ標準体重に近づくようにします。
摂取エネルギーの減らし方:超過体重分に相当するエネルギーを、減量予定日数で割って減らしていきますが、その価は1日分の所要エネルギーの30%以内にとどめます。標準体重が減ったら、消費エネルギーとバランスを摂りながら摂取エネルギーを安定させていきます。
<肥満症の献立>
★使用する食品は、たとえば糖質5%以下の野菜、糖質が少なくてビタミンCの多い果物というように、それぞれの食品分類の中で低エネルギーのものを選びます。豆類なら大豆とその製品、乳製品ならスキムミルクやヨーグルト、獣肉は赤身、鶏肉なら皮なしなど、食品成分表を活用します。
★アルコールや香辛料など食欲を促すものを用いない。
★味付けはうす味とします。
<肥満症の食事の仕方>
☆食事回数を減らしたり、一食に量がかたよらないよう、三色平均に摂る。
☆夜食と夕食の大食はやめる。
☆早食いは過食になりやすいので、ゆっくり食べる。
☆肥満による合併症(動脈硬化、高血圧、腎炎、糖尿病、膵炎、月経異常など)があるときは、その治療を優先的に考慮し、必ず医師に相談します。

やせ症の食事注意事項

摂取エネルギーの増やし方:脂質の多い食事を急激に増やすと食欲を阻害したり、消化不良をおこしたりします。また、野菜や果物を多くとると満腹感をおこすので、場合によっては代わりに総合ビタミン剤などを用います。
良質のたんぱく質に富む高エネルギーの食品を消化の状態をみながら徐々に増やして、50〜60kcal/s程度まで増量します。
<やせ症の献立>
★少量で栄養価が高く効率のよい食品を選ぶ。
★消化吸収のよい、胃の滞留時間の短いものがよい。
★渇きをいやす飲料に、高たんぱく、高エネルギーのものを利用する。
★低エネルギーのスープやぞうすいなどの水分の多い料理は用いない。
★アルコール、香辛料、適度の塩分などにより、食欲を促す。
★甘味は少ないが、エネルギーは蔗糖と同じである果糖やブドウ糖を甘味料として用いれば、量を多く使うので高エネルギーが得られる。
<やせ症の食事の仕方>
☆食事の回数を増やし、1日4〜5回とする。いわゆる”おやつ”を定期化する。
☆時間をかけてゆっくり食べ、食後の休息も十分とる。
☆食前や食間に満腹感をもたらすような水分はなるべく飲まない。
☆生野菜より煮た野菜でかさを減らし、果物などは食後に摂る。
☆食欲を促す環境、食卓デザインを心がけ、楽しいムードで食べるようにする。

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